こんにちは!
今日から新しいコラム『お客様と仕立てストーリー』を始めます。
これだけ世の中に洋服があふれている時代に、決して安くないお金を払ってなぜ洋服を仕立てようと思ったのか。
その背景にある理由と想いについて、執筆してまいります!
母にオシャレな服を着て楽しんでもらいたい。
2021年の4月ごろ、お母様(80代)とそのお嬢様がご一緒にご来店され、
『今度母が入居する施設でバスツアーに行くので、その時に着ていける洋服を作ってほしい』とご注文を頂きました。
色々お話を聞くと、お母様の体型は、腰が曲がってきており、既製品のジャケットを着ると後ろ丈が上がってしまい、お尻が丸見えになるのが気になっておりました。
オーダーメイドであれば、身体のサイズに合わせて仕立てることができるので、その悩みもカバーしつつ、オシャレな洋服を着て、普段少しでも母に楽しんでもらいたい。
そんな想いから、仕立てのご注文をされました。
※後々分かったことなのですが、お母様は何十年前(広島百貨店時代)にお洋服をお仕立てしたことがあって、その時の洋服を今でも持っているとおっしゃっておりました。
何十年ぶりのご来店ありがとうございました!
洋服のデザインは、スカラップを活かしておしゃれにしたい。
お母様がしきりに仰っていたのは『野暮ったくなるのは嫌』ということ。
お客様の中である程度デザインや、生地の好みは決まっていたので、デザイナーがより詳しくヒアリングしながら、デザイン画を描いていきました。
過去にお仕立てされたこともあり、お客様の方から裏地やボタン、デザインなどはっきりとご指示をいただきました。
そのおかげでもあり、より具体的に洋服の出来上がりについて打ち合わせをすることができました。
※お仕立てする生地とデザイン画の写真
仮縫いがあると安心するよね。
最初のご来店日から約10日ほどお時間を頂き、仮縫いを行いました。
仮縫いの時にお客様が『仮縫いがあると安心するよね。』と仰りました。
詳しく話を聞くと、以前お嬢様が別の店でネットオーダーをしたときに、出来上がりの洋服が注文通りできていなかったらしく
仮縫いもなかったので、届くまで不安だった経験がありました。
その背景もあってか、仮縫いの時にお母様が、細部まで確認をして補正のご指示を出していただきまいた。
もちろんデザイナーも全体のバランスやヒアリングはするのですが、お客様自身に着心地などを教えて頂くと、よりお客様の体型に合ったお洋服ができます。
仮縫いが終わり、お茶とお菓子を一緒に召しあがりながら、マルエス原田の思い出話を聞かせて頂きました。
※オーダー頂いた洋服の仮縫い写真
生地から洋服になる過程を見れて楽しかった!
仮縫いが終わり、出来上がりまで2週間ほどお時間を頂きました。
その間は、担当したデザイナーがお客様の注文通りにお洋服をお仕立てしていきます。
いよいよお客様に出来上がりをお渡しする日がやってきました。
お見せしたときの第一声が『スカラップの配置がええじゃないの~』
袖口、カフス、後ろ見ごろにスカラップを配置しました。もちろんこれもお客様のご注文通りにお仕立てしました。
※出来上がりのジャケット写真。
そして一番気になっていた後ろ丈ですが、しっかりお尻が隠れるくらいの長さになっていました。
さらに縫い代もたっぷりとっておりますので、今後より長くすることも可能です。
お母様は久しぶりのオーダーでしたが、お嬢様にとっては初めてのオーダーで、『生地から洋服になる工程を見れて楽しかった』と言って頂きました!
今度は自分の服も作りたいとも言って頂き、とても嬉しかったです。
マルエス原田のオーダーは、作って終わりではなく体系の変化に合わせたメンテナンスも必ず行っておりますので、もしまた何かございましたらお申し付けくださいね。
この度はオーダー頂きまして誠にありがとうございました!
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お客様と仕立てストーリーVol.1いかがでしたでしょうか?
仕立ての理由は十人十色。
お客様の人生が少しでも洋服で楽しくなれるよう、これからもオーダーしてまいります。
最後までお読みいただきありがとうございました。